擬人化小噺集
続きからどうぞ!
2012/2/19
ブルーシア島闘技会選手選考会議
「っていう事で…
候補リストは出来上がった訳だけど。」
「それにオリジナルの四聖獣と地獄の番犬2頭も加えて…わ、割と長いリストなのだ。」
「ここから2人かぁ…中々難儀な会議になりそうね。」
ここはネギタレ家。
ネギタレの自室で3人の男女がおこたの上にあるメモ用紙を前に何やら難しい顔をしている。
「まず、前提の確認をした方が良いわね。」
そう言ったのはポケモントレーナーのまみ。ホウエン、カントー、ジョウト、シンオウ、イッシュを旅してきた女性である。
「えーと…取り敢えず、『それなりに露出もあって、知名度があるキャラ』の方が良いってあのアホが言ってたな。」
「『必殺技』の欄があるから、派手で明快な必殺技があると尚良し、とも言ってたのだな。」
思い出しつつ候補者選考の前提を口にしたのは、この家の主(とは名ばかりw)であるサイト擬人化(正確にはブログ擬人化)、御存知ネギタレ。
ネギタレに続いて発言したのは、メテオスの世界からやってきたジオライト擬人化、アセト。
世界観を超えてこの3人が集まったのは、ある会に出場するキャラの選出をする為である。
ある日、ネギタレの元に届いたブルーシア島闘技会開催のお知らせ。
何でも、ジャンルを超えて各親御さんの世界の住人達が一堂に会してバトる会なのだとか。
その闘技会に参加する為に、参加者選考会議を開こうとネギタレが自身の管轄内の主要ジャンル…即ち、ポケモンとメテオスの世界から代表者を呼び出したのであった。
まずは、それぞれの世界で戦えそうなキャラをリスト化してみよう、とメモ帳に名を連ねてみたのだが…割とそれが長くて、3人とも若干心が折れ気味である。
「ワガハイとしては、うちからはリータ辺りが出れば良いと思うのだ。
メテオを巧みに使って攻撃も防御も自由自在!
この大会の性質に合ってると思うのだ。」
「それって惑星じゃん!
…ねぇ、取り敢えず、最強属性キャラは除外しない?」
アセトの発言にまみがツッコミつつ…
いや、何故リータが惑星メテオスだって知ってるかっていうと、手元に膨大な量の資料が置いてあるからであるが。
「そ、そうだね…。最強属性キャラは何処までも最強属性キャラだし、この大会の趣旨に合ってるか…と言ったら、ちょっと合ってないような。
最強属性キャラでも負ける可能性が一定以上あるからね。」
「じゃあ、最強属性キャラをリストから除外してみる、と…。
姐さんズは大体最強属性だから除外かな。」
「それだったら、七賢さんも除外なのだな。」
「うちの『姐さん』も最強属性だから今回は大人しくスタンドで観戦しててもらうかな…。
一度でもイラストに描き起こされたキャラは『露出がある』って判定にして良いよね。」
「そうなのだな。」
「異議なし!」
「さて、じゃあさっきの前提条件を当てはめて、更に候補者を絞って行こうか。」
「あいあいさー!」
「それなりに露出と知名度があるキャラ、ね…。」
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「…さて、どうかな?
だいぶ絞られてきた?」
「絞れたのだ!
えーと、12人なのだ!」
アセトの元気な声が部屋に響き渡る。
ネギタレは早速アセトの前にあるメモ帳を覗き込む…。
「だいぶ絞れてるね。
…あれ?アセトはいないの?」
「えっ」
「えっ 一応主人公でしょ?
技だってあるじゃん。」
「な、な、な、何を言っているのか分からないのだ…い、い、い、意味が分からないのだ…」
素朴な質問にみるみる顔を青ざめさせてがくがくぶるぶる震え始めるアセト。
そんなアセトを気にも留めず、ネギタレはメモ帳に加筆するのであった。
「はい、アセトも候補リスト入りっと。」
「だあぁぁぁぁぁああっ!!
な、何でなのだ!ワガハイ戦いたくないのだ!痛い思いしたくないのだ!ワガハイ一般人なのだー!!」
「成程、時雨とトルナードは最強属性だから外したんだね。
ツレヅレは全然露出してないから、今回は抜いた方が良いかも。
レクトンは知名度あると思うけど、技体系がややこしいから今回はなしで。
ミラージュは歳も若いし、一応非・戦闘員だからなし。
エーデとセルヴァは多分ダントツに知名度があるけど、必殺技は若干地味だなぁ…。
ミーネとペレはどうせなら2人合わせて出したいよなぁ…。そうすると、2枠埋めちゃうことになるんだよなぁ…。
スィンクとかナミとか覚えてる人いるのかな。」
泣きわめくアセトを尻目に、ネギタレはメモ帳の加筆を続けたのであった…。
「…うん、取り敢えずこんな感じで。」
「終わったわ。」
「どれどれ?」
アセトのメモ用紙の加筆が終わって、今度はまみのメモ帳を覗き込むネギタレ。
「32人よ。
数は多いけど、知名度があったり露出した事のある子はほんの一部だからだいぶ候補者は絞れたわ。」
「それでも結構多いね…。
まずはSapphire軍から…邪翔、邪陽、楓は昔よく出てたけどなぁ。クリソコラは登場が遅かったからあまり出てないね。
邪翔の必殺技って…。
アルラウネとチタンは必殺技が派手じゃないなぁ。
クロニクルは戦闘できるけど、どう見ても使わないわざが2つもあるし、必殺技も派手じゃないなぁ。なしで。
のぼるとか覚えてる人いるのかな。
次、金剛石軍。
アルテミスもクロニクルと同じで、戦えるけど使わないわざが2つもあるし、必殺技も派手じゃないね。なしで。
お嬢も戦えるけど、使わないわざが2つある…。
どうにか行けるかなぁ?
次、魂銀軍。
…特に言う事ないや。問題なく行けそう。
次、黒軍。
プレーリーと迷香は必殺技が地味だよね。
文京は攻撃面では申し分なさそうだけど、使わなそうなわざが2つもあるね。
ザイオンは確かにハッカさんの世界からやってきてるけど、知名度ないからなしで。
アスワンと藺牟田は必殺技が地味だし…最強属性入ってないか?なしで行こう。」
「…っていうか、ゲームでバトルすれば良いし、わざわざ出なくても良いんじゃない?
とくせいとかわざの効果とかもなくなるし。」
「それを言ったら元も子もない気がするのだ。
格ゲーとかスマブラをベースにしたって、そこら辺のものは大体反映されないのだ。」
まみがぼそりと言うので、思わず突っ込むアセトなのであった。
『四聖獣は最強属性だから除いて、地獄の番犬2頭は良いかな…。出すなら2枠使ってどっちも出したいけど…よし、だいぶ絞れたね。
ここから2人決める訳だけど…。」
「ちょっと待って。
貴方は出ないの?」
「え?俺?
出ないに決まってるじゃん。」
「なっ…!
自分だけズルいのだー!!」
「別にズルくないよ〜。
うちからはまみだけかな。
…って、ちょ!!まっ…!!」
ネギは余裕ぶっこいていたらメモ用紙に加筆されました、以上。
自分だけ抜け駆けは良くないですね。良くない。
「…そういや、アスワンの話によると、他の親御さんの所の人は大体特訓とか修行とかしてるみたいね。」
「あぁ、そうそう。あのアホから修行はすんな、素のままで行けって言われてるからうちはなしで。」
「えっ、なにそれ。
それだけでハンデがあるような気がするのだ…。」
「まぁ、何とかなるよ、多分…。」
中の人のお達しにブーブー不満を言うアセト。
だが、君が戦うと決まった訳じゃないし良いじゃないかw
「ところで、さっきから気になってたんだけど…」
そう言うと、まみは部屋の壁にあるポスターを指差した。
「あれ、何?」
「あれ…?
あぁ、これね。」
「これ、近々開催されるらしいよ。
皆で観に行かない?」
ネギが説明する。
何故ネギの部屋にあるのかは…誰かから貰ったらしいよw
「イザさんが出るみたいだし、興味あるのだ!
皆で観に行くべきなのだな!」
「そうね…それにしても、総勢何人くらいで観に行く事になるのかな?
100人は軽く超えそうだけど…?」
「うん、100人は超えると思うよ…。
とんだ迷惑な団体だね!」
…今は脱線しているが、選考会議はまだまだ続きそうである。
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「…で、何で俺が出る事になっちゃったんだか。。」
はぁ…、とため息を一つ付き、ネギタレは目の前のテーブルに送り付けられた闘技会大会要項の分厚い冊子を投げ捨てた。
サポーターは誰にするか、チケットは誰に渡すか…そんな事をぼんやりと考えながら、座っていたソファに横になり、目を瞑る。
…そんなネギタレを柱の影から覗く怪しい影が1つ。
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「レイ様、お呼びでしょうか?」
所変わって…ここは宇宙の果てにも近しい場所にある、ヘブンズドア領域。
領域で最大の浮遊大陸の一角に建つ、少しゴスロリ調の屋敷内。
「おぉ、来たなミーネたんVv
実はな、ミーネたんに良い話があってね。」
「良い話…ですか?」
ここは炎と大地を司る1番目の賢者、テルブレイズの『書斎』。
その居間にあたる部屋で、家主のレイは嬉々とした表情をしていた。
それに対し、ミーネは少々怪訝な表情。
何故なら、ここに呼び出されると、やれお茶持ってこいだの、やれ一人でモンスターハントしてこいだの、やれ束縛されろだの、やれベッドに横たわれだの、いつもロクな事がないからだ。
「ミーネたん、そんな顔すんなって。可愛い顔が台無しだぞ。」
「は、はぁ…。」
「で、良い話ってのはな…」
何気に軽く口説かれて思わず苦笑するミーネ。
と、レイは朗らかな表情から一変、真剣な表情に変わる。
いつもの、命令を下す時の表情だ。
ミーネ達はこの表情の時に下された命令には絶対服従するようにと刷り込まれている。
「ミーネたん、修行の一環として、ブルーシア島主催の闘技会に参加してこい。
負けたらどうなるか…分かっているな?」
「…はい、レイ様。仰せのままに。」
跪き、頭を垂れて誓うミーネを見下ろす冷酷な表情。
次の瞬間、そんなレイの表情が嬉々とした表情に戻った。
「…あぁ、そうそう。
サポーターは俺様とペレな。
で、チケットはアイネとファイとかいうのとリーベとかいうのに送っておいた。」
ぼーん。
「えっ、えっ…それってどういう事ですか…?」
「サポーターってのはな、出場者をサポートする人で、2人まで付ける事ができるんだとさ。出場者控室とかにも入れる。
で、チケットってのは3枚あるんだが…応援しに来て欲しい人がSS応援席って座席で観戦できるようになるチケットだ。」
ミーネの顔が真っ赤になったのを、レイはニヤニヤと楽しそうに観察していた。
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「…あれ?!
ない…!ない…!!ない…!!!」
「ん〜、五月蝿いですねぇ…。どうしたですかぁー?」
発狂しそうな勢いで何かを探し回るネギタレの五月蝿さにまみはムッとした表情のまま居間に入ってくる。
今は夜。
ネギタレは寝過ぎてしまったようだ。
「ないんだよ!ないの!!」
「ないって…何がですかぁー?」
「チケットだよチケット!!」
「なんのですか。」
「闘技会の!!」
「闘技会のチケット?
それなら、私がある人に渡したけど?」
「え。」
ひょこっと姿を現したエリの一言に、思わず固まるネギタレ。
因みに、エリは誰に渡したか、頑なに教えてくれないのでした。
ネギのサポーターはフラとムメ、チケットはまみとエリで決定。
チケットのもう一人は…うんw
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澄み切った青空、コバルトブルーの海、緑豊かな島に立ち並ぶ白い建物、そして巨大なドーム型スタジアム。
…こんな近未来的なスタジアムとか関連施設群がなければ普通にリゾート地になりそうな光景なんだけどなぁ。
建物の外壁は周囲に合わせて白く塗られているけれども、ちょっと異彩を放つそれらを見やりつつエリンゲートは心の中で苦笑していた。
今、とある世界のとある島に彼女達は観光と観戦(と応援)に来ている。
「あっ、何か落ちてくるですよ!」
「あぁ〜、ありゃ人だなwww世界オモシロ人間コンテストみたいじゃね?www」
「流石に各世界の人達が集まるだけあって、個性も色々ね。」
一緒に来ていたまみがスタジアム近くの上空を指差す。
…どうやら、人が2人、落ちてきているようだ。
ムメがいつもの調子で喜ぶ傍ら、フラはいつも通りの冷静さ。
エリンゲートとまみはフラとムメの力で一足先に会場となる島へとやってきていたのだった。
…え?
ネギタレ?
置いてきた。
だって、迎えのUFO来るし。
そのUFOの所有者的に、ネギは乗せた方が良いし。(面白い光景が見れないのはちょっと悔しいが。)
「…あ、あれは魔法ですか?」
「ありゃ水の魔法と…」
「風の魔法ね。
…だいぶ強力だわ。」
落下してきてた人は遂に地面に降り立ってきたようだ。
しかし、いつの間にか足場に乗っているし(そこはスルーして…)、魔法で落下速度を遅くしてるし。
っていうか、地面抉れてない?地盤に大ダメージ与えてない?
それはダメでしょ。
少女と思しき人物が風の魔法で綺麗に鋪装された石畳を盛大に破壊しているが、どうやら周囲に配慮してか、効果範囲を狭めてあるようだ。
しかし、明らかに地面に対してオーバーキル。
やめてあげてください。
「フラ、ムメ、まみ。そろそろ行くよ?」
「「了解!」」
「え…あ、待つですぅ!
まみを置いてかないでですぅ!」
そんな飽きれた光景に内心ツッコミを入れつつ、エリは宿泊先へと向かうのであった。
一行が向かう先は、港に停泊している、超豪華客船…。
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ここはカントー地方、クチバシティ近郊、まみの実家。
まみはポケモントレーナーとしてイッシュ地方の旅をしていたが、一時帰宅している。
勿論、観光と観戦に行く為に、である。
こういうイベントなんだから、皆連れて行かなくちゃ!
…なんて思って、遠いイッシュの地から舞い戻ってきたらしい。
「えーと…これで、準備はよし。
後は、皆いるかどうかね…。」
まみは荷物の整理を終え、長ったらしいリストを参照しながら、モンスターボールをチェックしている数人の手持ちの方を見やる。
「うへへへへへへ、おにゃのこいっぱいはぁはぁげへへへへ痺れさせt」
ズガンッ!!
「ふんっ…!
…10人いるぞ。」
「…タンガロアにアクィラにダマトパラ。
えーと、10人全員いるわ。」
…何か、薄っぺらいものが勝手に出てきたみたいだけど、その場にいた5人のリーダー+まみに一斉にぶっ潰されたようだ。
で、真っ先にチェックが終わったのは白金軍のリーダー、ゴウカザル♀のキムさん。
…決して敬称を付けて呼んでいる訳ではない。
ニックネームが「キムさん」なのだ。
彼女はせっかちなので、さっさと済ませてしまったようだ。
そして、さっさと自分のモンスターボールに戻ってしまった。
それに続いて、今度は魂銀軍のリーダー、オーダイル♀のアヌケトがチェックを終えた。
彼女はおっとりしているので、ちょっとゆっくりしていたようだ。
「サヘル、ボルネオ、アスワン、迷香、藺牟田、椿、イーハ…
うん、38人全員います!」
ちょっと間を置いてチェックが完了したのは黒軍のリーダー、ダイケンキ♀のジュノー。
頑張ってチェックしてたので、割と早く終わったようだ。
直後、プレーリーと文京のとこにチェックを付けるのを忘れてて慌ててチェック印を付けたが。
因みに、アスワンさんはこの後イーハを連れてさっさと抜け出し、自分達だけ先に会場入りしていたりするが、それはまた別の話。
「…カニカムイ、くみちょー、イージス、ティアマト、マルス、フロエモン…45人。
…あぁ、そうそう。エトゥを忘れてた。46人。」
やや暫く間が空いて、わざとらしくチェックリストのエトゥの箇所にチェックマークを付けながら言ったのは金剛石軍のリーダー、エンペルト♀のピリカ。
寂しがり屋なツンデレさんな彼女は、特にエトゥに対してツンツンするのである。ドS。
「…邪陽、つばさ、あかり、アルラウネ、ケーニッヒ、そしてリヴァちゃんにカドちゃん。
マスター、80人全員いるわよ。」
最後に答えたのはSapphire軍のリーダー、ジュカイン♀のラプトル。
金剛石軍メンバーの2倍近くは人数がいるが、チェックは結構早かったようだ。
因みに、カドちゃんとはトロピウス♀のカドミウムの事で、ラプトルの親友である。リヴァちゃんとは海賊団「砲煙海賊団」団長のミロカロス♀リヴァイアの事である。3人合わせて姐さんズ。
「皆、手伝ってくれてありがとう。
お疲れ様!」
これで全ての準備は完了した。
後は明日、お迎えのUFOがくる場所まで行くだけだ。
まみはワクワクしながら布団に潜り込んだ。
因みに、プレーリーと文京は夢の欠片拾いをします。
サヘルは巡回警備をします。
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「うぇーい、皆集まったのだー?!」
「分かんないわよ。」
「そうそう。
だから今、把握する為にチェック中なんだろ?」
「知らない人ばかりで探すの大変なんだから!」
チェックリストを片手に、アセトが嬉しそうに手足をばたつかせる。
そこに冷静に突っ込むホルムとセルヴァ。
そして、明らかに混乱している表情のエーデ。
「ハーッハッハッハッハ!!私の力を見せる時が」
「はいはい、あんたは黙っててね。」
ボコッ!
…おっと、しゃしゃり出てきたトルナードの顔面に裏拳を決めるくらいには冷静だったようだ。
ここは惑星戦艦メタモアークのブリッジ。
普段はジオライトやオレアナのクルーが多数乗船しているが、今は違った。
文明を持った各惑星から2人ずつくらいがやってきているのだ。
「…あれ、時雨さんはどうしたのだ?」
「そういえば、いないね…?
一緒に来るものだと思ってたけど…。」
「見てないし…リストにも載ってないな。」
「私のリストにも載ってないよ?
行かないんじゃないの?」
ふと、アセトは桃色の髪の巫女がいない事に気がつく。
が、誰も居場所を知らないようで。
おかしいなぁ、行く、と言っていたんだけどなぁ…。
アセトは首を傾げるばかりであった。
しかし、悩んでばかりもいられない。
腑に落ちないけれど、さっさとチェックを終わらせて荷物整理も終わらせねばならないのだ。
なにせ、迎えのUFOは後2時間で到着する。
それまでに、普段よりもカオス度が断然高い今の状況を何とか収拾させなければならない。
某自称ヒーローみたいに言うことを聞いてくれない人もいるし、アセトは目を回しそうになりながら、ホルム、エーデ、セルヴァと奔走するのであった。
もっとお手伝いしてくれる人用意しとけよw
因みに、七賢さん達とミーネ、ペレ、アイネはさっさと会場入りしていたのでした。
彼らのテレポートを使えば容易い事さ!
因みに、ミーネがフルネームでエントリーしなかったのは「何となく」だそうだ。
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「さぁて、復習しなくちゃ!」
時雨は司会・審判を務めるブルーシアとの打ち合わせと本番に向けての準備の手伝いをして、やっと会場内のスタッフエリアの一角にある部屋に戻ってきた所だ。
本職の仕事もある為、時雨は本番2日前である今日の昼に来場した。本番までに残された時間は少ないので、非常にスケジュールはタイトである。
更に、長旅をしてきた為、身体的にも多少疲れがある。
それでも、時雨はこれから6日間程自室となる部屋に用意されたふかふかのソファに腰掛け、目の前のテーブルに置かれた資料を手に取る。
「えーと…。
雷聖獣LAIGARN所属…元モンスターハンター、ハンマーは相棒だ!スナイロユンクのオルナ・サファイアティアーズ。
まだ死にたくないのだ!何か目覚めちゃったかのしれない平凡な一般大学生、点目で虚弱体質なジオライトのストラ=G=アウイン。
雷龍所属…ヘタレンジャー・レッド、ドMで残念なキング・オブ・ヘタレ、ネギタレ。
まだまだ修業中、宙駆ける炎のサイキッカー、ファイアムのミーネ。ミーネ・アラウノ・フランム。
郁人所属…日本神話の月の神、月読を相棒とする妖怪退治のエキスパート、器用貧乏な好青年、宮坂 晶。
実は元々邪悪なる影、カレー大好きヘタレンジャー・ヘタイエロー、ビビリで不憫なゴウ。」
時雨が見ているのは闘技会参加者のエントリーシートだ。
解説として、参加者一人一人の性格や持ち技を把握しておかなければならない。
そして、エントリーシートに書いてある事ではないが、その参加者の考え方まで読み解いて行く必要がある。
何故なら、戦闘中の思考や精神状態を解説するヒントになる筈だからだ。
「きゃベ所属…何故隠したがる、帰ってきたぶらーに、スカートは絶対鉄壁のフルーレ使い、ティコ。
重火器を携えた大人しき過去からの来訪者、所属する前線部隊では雑用係をさせられている、コロニオンのミィヤ。
魔玉星花所属…戦闘好きは過去のもの、平和主義者でヒヤ系ラヴァーな暴走ドS、ヤナッキーのナーヤ・グラスファイバー。
好きなものへの想いは青色超巨星より高温、ソウルでロックなシャウトで魂に炎を灯す、ファイアムのファイアム・プロミネンス。
満乃皐月所属…戦う軍医なおねーさんは好きですか?軍医だからってナメると即あの世逝き、露出が多めなコロニオンのジェント=USP。
蒼天隼輝所属…愛称は「チェリー」、臆病だけれど戦闘は頑張ります!水も毒も滴る良い亜人、チェルザリーテ。
谷原朔夜所属…天体観測と食べる事が好きな天然、ヘタレンジャー・ヘタグリーン、今日もてろてろ頑張る、眼鏡の理魔道士、谷原サニタ。
中性的で穏やかな歩く武器庫の好青年、高機動生体兵器型アンドロイド8号、グランネストのジェスタ=リゲル。
透水しぐれ所属…身体はチート、心は普通のジオライト、七賢さんとの修行では遺書だって書いちゃいました、学生結婚とかマジ裏山!ジオライトのジル=スフィア。
ちょっと所か、だいぶ重症な天然ボケ、キッチンは大惨事!愛する息子達と旦那の為に戦う和服美人、ジャローダの葉桜。
蓬茶葉所属…見た目は可愛いけど実は無性、聖なる力を持つ悪霊の片割れ、マイペースなスピリア。
自分や衣装が傷つくと金縛るよ!王様オーラむんむんのおっとり色白さん、ブルンゲルのブルガリ。
湯本まつり所属…常にハイテンションできらきらしたもの大好き!正体は高圧電線、迷惑千万なやんちゃ青烏、ひより。
熱いのやめてください、寒いのやめてください、衝撃与えないでください、保障期間が切れた身体に鞭打って頑張るオサレデジタルエンターテイメント家電、譜烈。
…。
……。
………。
……………。
………………。」
こうして、時雨の夜は更けて行くのであった。
…彼女がどうやって移動してきたかって?
そりゃあ、女神の奇跡ですよ。
遂に闘技会始まったので、遅ればせながら…w
つか、ヘタレの殿堂ってなんだwww
ドン・キ○ーテみたいなんだけどwww
そしてアウ…セー…セウト!!なギャグをかます辺り、相変わらずの酷さであるwww
会場を凍りつかせようとしないでくださいwww
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闘技会第5試合その後
昼休みはムスッとしながらレストランのバイキングとかで食事するミーネ。
ひたすら謝りつつ、居心地悪そうにもぞもぞするペレ(食べながら)。
にこにこしながら見守るレイ(食べながら)。
他の七賢はそれぞれ思い思いに過ごしてます。
帰ったらミーネにはレイの罰ゲームが待ってました。
レイの罰ゲーム:あんなこととかこんなこととかご奉仕とか。
首輪とか手錠とか足枷とか付けられて色々されます。
レイの技の鍛錬の的にされたり、縛り上げたり拷問したりとかね。
翌日、ボロボロの状態のミーネはオレアナを襲撃。
民間人を平気で惨殺しまくり、メテオスの世界でも屈指の戦闘力を誇るオレアナ軍と対峙。
1個師団分壊滅させる。
海底火山を爆発噴火させたりもして、オレアナの環境に影響を及ぼしてしまう。
まぁ、んな事して帰ってきたんだから、またレイに粛清されるんだけどね。
そしてペレにまた心配をかけるミーネなのでした。
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リア充が増えつつある現状
文京「…くそぅ、周囲にリア充が増えつつあって羨ましい。。
俺もそろそろ欲しいよ…。」
プレーリー「…そうだ、『メロメロ』を覚えればいいんじゃね?」
文「おっ、その手があったか!
マスターに言ってみようぜ」
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文「…っていう訳で」
プ「俺達にメロメロを覚えさせてくれ!」
まみ「却下。」
文・プ「「えっ」」
まみ「だって、プレーリーは秘伝要員件眠らせ要員だよ?
それに、『かみくだく』を外したらゴーストタイプと戦えなくなるし。」
プ「」
ま「文京は何かやだ。覚えさせても微妙だし。」
文「えっ、ちょ、まっ…」
藺牟田「ボクにメロメロを覚えさせt」
まみ「お前は論外!」(げしげし
藺「げへへへへへ!もっと!もっと!!
マスター襲いt」
まみ「あーもう、キモい!」(3人共ボールに戻す
多分、文京とプレーリーは女装させられまくってお人形さん状態になればメロメロを覚えさせてくれるんじゃないかな!
因みに、藺牟田にメロメロを覚えさせると大変カオスな状況になるので、ないですw
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1日10試合という過密スケジュールの闘技会1日目も終わり、すっかり夜の帳が降りている。
豪華客船プリンセス・ブライト号はきらびやかな光を灯し、ブルーシア島に停泊していた。
その船内、闘技会参加者とサポートスタッフ及びSS席招待者専用の部屋が集まるエリアの一室…。
「あぁ〜、喰った喰った!
ここの飯は中々美味いな!」
「えぇ、そうですね。
食べ過ぎないように注意しなければなりません…。」
「それにしても、ミーネたんはまだムスッとしてるんだなぁ〜。
自棄食いとか脂肪フラグだぞ?」
「当たり前です!
あんな…あんな負け方したんですから…!!
悔しいですし、その後の…いえ、なんでもありません!」
レイ、ミーネ、ペレの3人は夕飯を終え、自室へ戻ってきた所だった。
夕飯時には一時アイネも同席していたが、すぐに兄の元へと移動している。
どうでも良い事だが、アイネが同席している間、ミーネはアイネに試合内容についてこてんぱんに言われまくっていたりする。
それもあって、更に機嫌が悪い。
「あぁ〜ねぇ〜。」
「あ、あの…レイ様、誠に申し訳ありません…。」
そんなミーネも、朗らかな笑顔で棒読み科白を発するレイに恐怖を感じ、おずおずと頭を垂れる。
「まぁ、仕方ないよねぇ〜。
ミーネたんは勝ち目なかったし。」
「レイ様…っ!
少し不覚を取っただけで…」
「いや、属性的なものは関係ない。どうとでもなるからね。
ただ…俺様の見立てでは、力量に大きな差がある。
お互いに能力を制限していたけど、チェリーたんにリミッターがかかっている時でさえミーネたんは若干不利だと見るね。」
「そんな…っ!!」
レイは相変わらず朗らかな笑顔だが、言葉は鋭くて。
ミーネは改めて現実を突き付けられていた。
自分の弾き出した答えが間違っていなさそうだ…と。
「チェリーたんのリミッターが解除されて長く戦えば、ミーネたんは確実に負ける。
…いや、死ぬね。
120%の確率、だろう。」
「…。」
「あの必殺技『カオスヴォルテックス』を受ければミーネたんは一撃で全身の骨格も粉砕されてただの肉塊になるだろうねぇ。
まぁ、あの技は本来もっと違う技のようだけれどね。
ペレたんと組んで2対1の状況になっても、勝てないだろうねぇ。
そうだね、俺様達の世界でリミッターを解除したチェリーたんと対峙して勝てるのは…俺様達七賢と、あのトルナードとかいう男くらいだろう。
ナミたんとイツクシミのグランネスト勢、海拉爾と敦煌たんのヒュージィ勢、ヴラドとシルヴァたんのギガントガッシュ夫婦、レクトンたん、ザルツとかいう男、アイネたんとドラッヘのコロニオン兄妹、聖とかいう神官が勝てるか勝てないかくらいだと思うね。
…あぁ、そうそう、忘れていたよ。
時雨たんも勝てるだろうね。」
「…っ!!
時雨が…?!
そ、そんなの認めない…!!」
「…成程、確かに時雨さんなら良い勝負をしそうですね。」
「…ペレまで?!」
「まぁまぁ、ミーネたん、落ち着けって。
可愛い顔が台無しだぞ?
時雨たんが勝てるのは、『女神の奇跡』の加護が常にあれば、の話だ。
なければ、時雨たんも勝てるかどうか怪しいものだ。」
「それにしたって……。
レイ様、ミーネ、もう寝ます!」
ミーネはぷりぷりしながらさっさと寝室に向かってしまった。
彼女の機嫌は多分1週間くらい直らないだろう。
そんな小さな事等、レイは気にも留めないが。
「…レイ様、ペレ達なんて、まだまだ弱い方なんですね。
世の中には強い人達が沢山いるようで…勉強になります。」
「そうだね、ペレたん。
君達の修行の為…と言って連れ出してきたけど、見聞を広める為ってのもあるからね。」
レイは寝室に消えるミーネの後ろ姿を見送るペレの顔を優しく撫でる。
ふと、思い出したような表情になって呟く。
「…そういえば、今回の試合を観ていて思ったけど、俺様にダメージを与えられそうな技、なかったね。
ネギタレのあの必殺技だって、本来の威力はもっと強いようだが…俺様の必殺技の最大威力の50分の1くらいの威力だからなぁ。」
「レイ様、その気になれば宇宙壊せますもんね…。」
「…あぁ、そうだ。ペレたん。」
「…はい?」
「そろそろこの船の歓談ホールで交流会があるらしいぞ。
行ってきたらどうだ?」
「…は、はぁ。
でも、そういうイベントはレイ様の方がお好きでは…?」
「俺様はそこら辺でナンパしてる方が良いからな。
見聞を広める為にも、行ってきなさい。」
「…はい、仰せのままに。」
レイはその直後、嬉々とした表情でナンパにでかけるのであった。
レイ様は何処に行っても変わりませんね…と苦笑し、ペレは普段着のまま交流会へと向かった。
アイネがもうすぐ戻ってくるだろうし、普通に不用心に部屋を開けたけど、大丈夫!
オートロック式だし!
まぁ、茶色い薄っぺらいのが侵入するくらいの被害しかないだろうからな!!(それが大問題である
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